香港を象徴する代表的な景色は歴史的な港とそこに流れ込む海です。その圧倒的なスカイラインを望むベストスポットは アベニュー・オブ・スターズ
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Photo Credit: Peden+Munk
ハリウッドのウォーク・オブ・フェームをモデルにした、尖沙咀の南側の境界を囲むように伸びるこの有名なプロムナードには、永久不滅のスターの手形や像が並び、香港の超人気スターに出会えます。景観設計家のジェームズ・コーナー氏が、大規模な再設計を手掛けて2019年に再オープンしたアベニュー・オブ・スターズは、まさに香港の芸術的な要素と美学の誕生です。
「アジアのハリウッド」が制作した格闘映画の評価を高く押し上げ、世界的な称賛を受けた武術の達人であるブルース・リーがこのコンセプトの中心です。彼の2mの銅像は、このプロムナードの東側のベストポジションにあり、彼の足元には水が流れています。そう、俳優で哲学者のブルース・リーのあの有名な言葉「水になれ」を思い起こさせるように。実際、コーナー氏は同じような思想で再設計したようで、ビクトリアハーバーの物理的な存在を通してそれと調和する視覚的な関係性を構築しています。コーナー氏は、自身が気に入っているアベニュー・オブ・スターズについて、「大きな木製の手すりが私のお気に入りです。景色を楽しむためにちょっと傾きをつけたり、水辺に沿ってリボンのように緩やかにしなる曲線を作るには、この木の手すりが最適なのです」と語っています。
アニタ・ムイ
ブルース・リーの他にも彫像があります。「香港の娘」と言われた歌手で女優のアニタ・ムイは、世界中の中国人なら誰もが知っているスーパースターでした。洗練されたふるまい、自立心、際立った個性で知られた彼女は、香港の音楽と映画界に大きな影響を与えた女性です。来訪者は、ARで蘇ったブルース・リーとアニタ・ムイと交流したり、一緒に写真を撮ることができます。
港に向かって遠くまで伸びる歩道と海との間には、揺らめく波を映し出し、有名人の手形を残した緩やかな曲線の欄干が付いています。この欄干が水の中に入る場所に座席があり、コーナー氏が言う「水辺の近くにいるというドラマ性を高める」と同時に、水に親しむ環境を作り上げています。「この経験は、社会の活発な交流を促し、人々の目を楽しませ、色彩豊かな市民生活を同時に促すものです」と彼は続けます。
ここには有名人の手形を見つけて「セレブを発見」するだけでない魅力があります。手形を見ることができる有名人には、香港の放送会社TVB の共同創設者である邵逸夫、『クレイジー・リッチ・アジアンズ』で手ごわい女家長を演じた女優ミシェル・ヨー・チューケン、複数のウォン・カーウァイ映画に出演した香港の熱狂的な俳優トニー・レオン、そして、その含意に富む魅惑的な映画のセリフが様々な監督にインスピレーションを与えてきたウォン・カーウァイ監督自身などが挙げられますが、他にも100以上の手形が木製の手すりに付けられています。
3つ目にご紹介したい像は、ブライアン・ツェーとアリス・マック作のマンガのキャラクターのマクダルです。ヒーローのイメージとは程遠い愛すべき子豚のマクダルは、新聞の「明報」のマンガ欄から映画作品となり、さらには香港アニメ業界のアンバサダーとしてアベニュー・オブ・スターズに進出しました。4つ目の像は、セルロイドフィルムに包まれた女性が、手にもつ真珠を空に掲げる姿を映した像です。これは1982年に香港の映画を称えるために始まった香港映画祭の像を表しています。
このような伝統を守るため、Corner氏は香港で最も愛される名所のひとつを再構築するにあたり、大きな責任を感じていました。「新しいアベニュー・オブ・スターズをデザインできたことは、信じられないほどの喜びであり、大きな責任でもありました」とCorner氏は語ります。デザイナーは、光が最も柔らかく、雰囲気が温かく心地よい日の出と夕暮れ時を特に美しいと感じています。時間帯に関係なく、この親しみやすい遊歩道では、訪れる人々が香港の華やかなエンターテインメント業界の主要人物や、街の最大のスターともいえるビクトリア・ハーバーの水面とスカイラインに親しむことができます。
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