九龍の静かなオアシス

九龍城（Kowloon City）の心臓部に位置する九龍寨城公園（Kowloon Walled City Park）は、約31,000平方メートル（サッカー場4面分ほど）の広さを誇ります。公園の設計は、古典的な中国庭園の建築様式と現代的なランドスケープデザインが見事に融合しています。優雅な あずまや、豊かな緑地、静かな池が、かつて世界有数の過密地域であり、悪名高い地区として知られていた場所を背景に広がっています。

壁城の歴史を解き明かす

九龍寨城公園は、複雑で色鮮やかな歴史を持つ旧九龍寨城の跡地に広がっています。現在、公園内にある常設展示施設「千の顔の街」では、かつて混乱に満ちたこの場所の興味深い歴史を学ぶことができます。この展示では、壁城のミニチュア青銅模型と、その壁の内部の生活を断面図で表現した迫力の芸術作品が展示されています。

公園を散策していると、壁城都市時代の歴史的遺構がいくつか目に入ります。壁城都市の行政機関として機能していたヤメン複合施設は、丁寧に修復され、現在では公園の展示施設として利用されています。その近くには、都市の元の要塞化された構造を偲ばせる数少ない遺構の一つである南門があります。

自然の中でリラックス

この公園は歴史だけではありません。中国文化の静かな一面を楽しみながらリラックスできる場所でもあります。伝統的な中国書道と音楽の美しさを堪能できる「六芸台（Six Arts Terrace）」は必見です。山々の景色を静かに眺められる「邀山樓（Mountain View Pavilion）」や、四季の移り変わりを表現した「廣蔭庭(Guangyin Square/Garden of Four Seasons)」と「童樂園（Garden of chinese Zodiac)」は、散策に彩りと遊び心を添えてくれます。