北角〜高みの見物

北角では大通りから一歩北側の春秧街という道に入ろう。
そこは、北角止まりの電車だけが通る単線線路が敷いてある。
終点間近で乗客も疎らな電車は急にノロノロ運転になる。
というのも、周囲に滅茶苦茶に溢れている車や人や貨物や商品やゴミが電車を包囲してしまうのだ。
電車はそれらをかき分けて進む砕氷船のようになる。
対照的に静かな二階席から地上の大騒ぎを見物していると、元気な香港に来た実感がジワッと湧いてくる。

北角春秧街では人も店も商品も車も電車もみな対等にゴチャゴチャと同居している。   「ほらよっ」と軽快に包丁を振るって肉を捌くおじさん。あちこちでこんな光景を目にする。
 
裸電球に照らし出されているトリたち。番号札を付けられて注文を待っている。
北角終点間近ではゆっくり走る電車の窓の下には、
道路のはずなのに商品の並ぶ市場が続く。