2017 / 07 / 31 / Mon.トレンド

牛乳スイーツに注目!
香港式カジュアルカフェ「十字冰室」

2015年3月にMTRの新駅が開業して以来、新たな店の進出が続く西營盤(サイインプン)に、今春、カジュアルな香港式カフェ「十字冰室 Cross Cafe」が誕生しました。Made in Hong Kongの牛乳「十字牌(トラピスト・デイリー)」を使用した個性的なメニューを軸に、ドリンクやスイーツ、香港らしい軽食やお腹いっぱいになれるセットメニューなどなどが、ノスタルジックモダンな空間で楽しめます。

古くからある「冰室」の新しいかたち

©池上千恵/日中も明るく光る赤いネオンが目印

エリア:香港島/西營盤(サイインプン)

冰室(ビンサッ)とは、古くから香港にある飲食店のこと。個人経営のこじんまりした店が多く、食事というよりは軽食+お茶でくつろぐ場でした。本来の冰室は時代の流れから多くの店がが姿を消してしまいましたが、香港の食文化のひとつとして受け継ごうと、若い人たちが仕掛ける個性的な冰室が今、次々と誕生しています。

そのひとつがこの十字冰室。店名に掲げた「十字」は、香港の牛乳ブランド「十字牌(トラピスト・デイリー)」の牛乳を多くのメニューに使用することに由来します。十字牌の牛乳は、1960年代初頭にランタオ島(大嶼山)の山の中にひっそりと建つ修道院に設けられた小さな酪農施設から生まれました。近隣の人や訪問客に牛乳を振る舞ったところ、そのなめらかな口当たりが評判となり、時を経て事業化、現在ではMade in Hong Kongの牛乳としてスーパーやコンビニにならび、香港の家庭にあたりまえのように浸透しています。

©池上千恵/今は中庭となったこの聖母神樂院(修道院)の酪農施設で十字牌の牛乳が生まれました

インテリアも盛り付けもインスタ映え◎

十字冰室は、十字牌の牛乳というひとつの食材に焦点を当てた珍しい店ということに加え、インスタ映えする盛り付けのフードやドリンク、さらにインテリアにも注目が集まり、週末やお昼どきには空席待ちの列が続いています。

©池上千恵/わかる人にはわかるさりげないレトロ感ミックスがおしゃれです

店内の壁にあるメニューは、香港の集合住宅の入り口などにかけられているアルミの信箱(郵便受け)をモチーフにしたデザイン。その横の赤い縦書き文字は、小巴(ミニバス)の行き先表示などに使われる手書き文字です。現在この文字を書ける職人さんは、香港にただひとりだけなんですよ。

味も「冰室」らしい正統派。元々の冰室が軽食+お茶のくつろぎの場でしたから、ご飯もののガッツリ系ありませんが、サンドイッチや麺、それらを組み合わせたセットメニューも複数種用意されています。

十字牌の牛乳を使ったメニューの中でも押さえたいのは、毎日16時から提供される牛乳プリン(十字燉奶/25香港ドル)。牛乳と卵白を混ぜスチームしたもので、ぽってり感もあり、お腹の満足度もなかなか!

©池上千恵/温かいものと冷たいものが選べます

また、イチゴ牛乳×バニラアイスでつくる懐かしい甘さのイチゴミルクシェイク(十字士多啤梨昔奶/ 34香港ドル)や、香港式のミルクティーはエバミルク(淡奶=無糖のコンデンスミルク)を使うため、十字牌の牛乳を使用してはいないのですが、空き瓶を利用した香港式ミルクティー(冰鎮濃滑奶茶/ 19香港ドル)も人気です。奶茶は氷で味が薄まらないように瓶の周囲から冷やすプレゼンテーションが洒落ていますよね。

冷たさも味のうちなので、写真を撮ったらすぐに召し上がれ

お客さんたちがテーブルにやってきたフードを撮影する確率はほぼ100%。お店の方も「どんどん撮って! どんどんSNSに上げて!」とイマドキの戦略に抜け目なく乗っています。実際に撮りたくなる、発信したくなるレトロ感と小洒落感ですから、カメラやスマホを携えてぜひ立ち寄ってみてくださいね。

  • スポット十字冰室
  • 住所西環西營盤高街48-78號恆陞大樓12號舖
    12, G/F, Hang Sing Mansion, 48-78 High Street, Sai Ying Pun, Western District
  • 電話番号2887 1315
  • 営業時間7:15~18:15
  • 定休日無休
  • アクセスMTRサイインプン(西營盤) B2出口から徒歩約5分

Written by : 池上 千恵

フリーライター。出版社勤務を経て、約6年香港に居住。『香港路地的裏グルメ』『香港 無問題』『香港トラムでぶらり女子旅』など複数の関連著書を持つ。現在は年3~4回の訪港で生活感のある香港を探求し、雑誌・ウェブを中心に活動中。香港政府観光局公認『超級香港迷』(大の香港ツウ)として講演なども行う。
ブログ:香港*芝麻緑豆
http://edokomomo.exblog.jp/