香港迷のおすすめ

超級香港迷インタビュー
編集者・福井由美子さん

渡航歴150回超えの超級香港迷が伝授!
香港を賢く旅する上級ワザ

失敗しないホテルの選び方から、知っておくと得する買い物のコツ、旬の上海ガニをおいしく味わう方法まで。渡航歴150回超えの超級香港迷が実践する、とっておきのワザを伝授!

女性のひとり旅を「ひとりっぷ」と名付けて応援している、編集者の福井由美子さん。会社員ながら海外ひとり旅はなんと400回以上、そのうち最も多い渡航先が香港。渡航回数はすでに150回を超え、ここ4年ほどは基本的に1泊3日の弾丸スタイルで毎月訪れている。「香港なら、移動時間も含めて1分たりとも無駄なく旅できる」「香港の10分は東京の30分」と語る福井さんに、宿泊先選びや買い物のコツ、季節に応じた遊び方などを教えていただきました。

香港と日本では、体感時間が違う!?

――前回のインタビューでも週末香港旅の魅力を語っていただきましたが、福井さんは編集者という忙しいお仕事のかたわら、毎月のように土日で香港へ通われているんですよね。

行きは金曜深夜0時前後の羽田発、帰りは日曜深夜0時前後の香港発という1泊3日の弾丸が、わたしの基本スタイルですね。香港旅行は移動のロスがないので、下手に国内旅行するよりも時間が目一杯とれるのが最高です。たとえば北海道や沖縄に最終便で着いたとしても、その日は寝るためだけに宿代がかかってしまいますよね。でも香港なら往復とも機内泊になるので宿代も浮くし、到着するのが早朝なので、活動時間に1分たりとも無駄がないんですよ。そういう意味でも、週末弾丸旅にぴったりな旅先ですね。

――毎月街をパトロールされていて、最近感じた香港の変化はありましたか?

ここ何年もずっと建設中だった香港とマカオを結ぶ港珠澳大橋や新幹線(広深港高速鉄道)の到着口が、ついに完成したことがまずひとつ。永遠に造っているんじゃないかと思っていましたが、最後はイッキに出来上がってびっくりしました。そういった大きな変化もあれば、最近お洒落な茶餐廰(チャーチャンテン)があちこちにできてきたなとか、台湾ドリンクのスタンドがやたら流行りだしたなとか、街をパトロールしていて気づく小さな変化もあります。香港って、いざ流行るとなると一斉にお店が増えるんですよ。

――日本と比べても、かなり違いますか?

たとえば、ちょっと人気な欧米のファッションブランドが出てくると、あっという間に路面店やショッピングモール内にストアができます。日本だと最低でも半年から1年はかかりますけど、香港ではそれこそ翌月にはできていて驚きます。だから香港のショッピングモールを見ていれば、いま世界で流行っているものがわかるんですよね。そして流行が廃るのも速いので、ちょっと売り上げが落ちるとすぐ店がなくなっちゃう(笑)。そんなところもおもしろいです。

――ものすごいスピードとエネルギーですね。

お店に置いてある商品のバリエーションも違いますね。日本のショップは日本人が好きそうなものしか置きませんが、香港人はもともと派手好きだし、在住の欧米人も多いので、日本よりも断然いろんなデザインや色やサイズがそろっています。わたしは靴のサイズが25.5センチなのですが、日本だと24か24.5センチまでしかない場合が多く、がっくりくることがほとんど。でも、香港なら同じブランドでももっと大きなサイズまで展開があるんです。なので靴はほとんど香港で買っています。
東洋も西洋も共存していて、世界の流行が一気に入ってくる香港は、やはりグローバルスタンダードな街だなと感じますね。海外ブランドの新商品入荷も日本より早いので「日本のお店にはまだないものがもう並んでいる!」なんてことは、しょっちゅうありますよ。

――なるほど! それを知っておくだけでも、買い物がさらに楽しくなりそうです。

ちなみに、買い物をしていて目当ての色やサイズが見つからなくても、そのブランドの他店舗にはある場合も多いです。「他のお店にある?」と聞くと、すぐ調べてくれます。「○○店にあるので、取り寄せましょうか?」となった場合は「いや、いまから行くので、キープしておいて!」と、その足で向かいます。

――自分で取りに行くんですね?

そうです。たとえば東京で「銀座店にはないけど、渋谷店にならある」といわれても、自分で取りに行くとなるとなんだかんだで移動に30分はかかってしまいますよね。でも香港は中心部がコンパクトなので、他店へも10分あれば行けることが多いんです。
時間の感覚が違っていて、東京では30分かかることが、香港では10分でできる。つまり同じ時間でも、香港では日本の3倍の行動ができるということです。わたしは香港では1分たりとも無駄にすることなく過ごしたいので、なにか行程に迷ったときは、「時は金なり!」とつぶやきながらどうするか決めています(笑)。

ホテル選びは税抜き1万円台前半が目安!

――福井さんは、いつもどのエリアに滞在していますか?

最近は灣仔(ワンチャイ)か上環(ションワン)ですね。香港はどこも都会なのでそれほど大差はないのですが、尖沙咀(チムサアチョイ)や銅鑼灣(コーズウェイベイ)と比べたら、ローカルな雰囲気を感じられるので。

どちらも香港内の中心エリアではあるので表通りはにぎやかだし、一歩路地裏に入れば小さな市場があったり、新しくできた小洒落た茶餐廳があったり。滞在中は基本的にホテルの周辺や路地裏を歩き回るのですが、行くたびに「あら、こんなところに人が並んでいる広東デザート店ができてる!」とか、小さな発見があっておもしろいです。

――ホテルはどのように選んでいますか?

わたしの場合、たいてい1泊のみで、ほぼ寝るだけ。長々ホテルで過ごしたりしないので、ラグジュアリーな高級ホテルにはほとんど泊まりません。清潔感があって、女性が一人で泊まったときに気分が上がるデザインのホテルを選びます。灣仔と上環にわたしが定宿にしているホテルが5~6軒あって、毎回その中から一番お得に泊まれるところを予約しています。そういういい感じの手ごろなホテルがここ5年ぐらいで香港にはかなり増えましたね。

――どのぐらいの予算で探すといいのでしょうか?

いつも泊まっているのは、税抜きで1万2000円前後のホテルです。これはわたしの個人的な基準なのですが、税抜き1万円ぐらいが最低ライン。それ以下だとベッドが固いとか、お部屋が簡素を通り越して粗末……なんてこともあるのでご注意を。あとはホテル予約サイトで口コミをよく見て検討します。
一見、安くてよさそうに見えても、実は郊外のホテルという場合もあります。もしこれが、そもそもエリアが広大でレンタカー移動するようなロサンゼルスならば多少の郊外ステイもありだと思いますが、先ほども言ったように香港は「時は金なり」の場所。すべてがコンパクトな中心部にまとまっているのが利点なのに、そこから地下鉄で20〜30分かかる場所なんて、時間がもったいなすぎます。日本タイムに換算したら60〜90分、往復でさらに倍の時間のロスですよ。いわゆる中心と言われるエリアであれば問題ないので、予約時にそこだけは気をつけてください。

――ホテルや航空券はどのぐらい前から押さえていますか?

航空券は早割的な割引チケットを買いたいので、最低でも1カ月半以上前に取るようにしています。そのあとにホテル手配。定宿の中からいちばん条件のいいところを吟味して決めます。同じホテルでもシーズンによって値段が上下するのですが、まれに香港で何かのフェアやイベントが開かれたりして、どのホテルも一斉に高くなることがあるんです。普段なら1万円のホテルが2万円ぐらいになったりして……そういうときにはもともと高いホテルに泊まる!

――高いホテルに、ですか!?

なぜなら、1泊3万円以上の高級ホテルは、時期による価格の上下があまりないんです。普段1万5000円のホテルが2万5000円になるんだったら、いっそもともと3万円のホテルに泊まるほうがよくないですか?

――確かに! むしろ、高いホテルがお得に感じます。

そうなったら、貧乏性のわたしはラグジュアリーホテルから一歩も出ません(笑)。せいぜいホテル直結のショッピングモールを見るぐらいで、昼食も夕食もホテルのレストランで食べて、ずーっとホテル内に引きこもって満喫します。そうはいっても、最終日のお昼にはチェックアウトしますから、そこからまるまる12時間は街を楽しめちゃうんですよ。

■ 自分で蒸してお得に楽しむ、絶品上海ガニ

――キッチンつきのサービスアパートメントにステイすることもありますか?

上海ガニのシーズンだけはそうしています。香港といえどもやはり上海ガニは高いので、レストランでちゃんとしたものをオーダーすると1杯5000円は下らないんですが、お店で買って自分で蒸せば同じ価格で2倍食べられるんです。そのためにサービスアパートメントやキッチンつきの物件にステイします。

――さすが、レベルが高いです。

いえいえ、本当に簡単なので、どなたでもできますよ。水を張った大きな鍋の中に台座となるお碗を伏せて置いて、その上にお皿を乗せてカニを置いたら、鍋の蓋をして20分蒸すだけ。気をつけるべきは、カニを結んでいる藁をほどかないことと、カニを仰向けに置くことだけです。たいていIHコンロなので、火加減の心配もありません。カニ好きの方には本当におすすめします。

――上海ガニはどこで買うのですか?

わたしの行きつけは、銅鑼灣の街市そばにあるカニ専門店。カニ用の甘い黒酢とショウガ、蒸す際に入れる臭み消し用の乾燥シソなどは、小分けパックで付けてくれます。カニを食べるためのハサミと細いスプーンのセットもカニ店で150円ぐらいで売っているので、必ず買います。
ホテルステイの場合や、自分で蒸すのはちょっと……という人は、お店で「蒸して」とお願いして持って帰ることも可能ですよ。カニ専門店であれば、買ったカニをその場で蒸してくれるところも多いので、ホテルの近くで見かけたら、挑戦してみるのもいいと思います。

――いいですね! シーズンとしては、いつがおすすめですか?

9~11月が旬ですが、気候にもよるので確実なのは10~11月ですね。ちなみにわたしは自分で蒸すほかに、レストランへカニ味噌料理を食べに行きます。カニ味噌麺やカニ味噌をのせた豆苗炒めなど、この期間にしか食べられないカニ料理がいろいろあって、とにかく絶品なんです!
おすすめは灣仔にある「留園雅叙」。香港人の友達から教えてもらった上海料理の人気店で、本当においしいのでよく通っています。予約は必須なんですが、英語はびっくりするほど通じません(笑)。

季節感に合わせた、香港旅の上級ワザ

――上海ガニ以外にも、シーズンに応じた楽しみ方をされているのでしょうか?

毎月行くのも4年目に突入したので「この季節はこれをする」ということもありますね。たとえば4~10月はビーチシーズンなので、海に行くことも多いです。ローカルなビーチの脇にエスニック料理を出すお洒落なレストランがあったりして、南国らしいリゾート感を満喫できます。ランタオ島のビーチや、九龍(カオルーン)半島側のかなり郊外にあるビーチなどは、アクセスは不便ですが、人が住んでいないエリアだけに水が本当にきれいなんです。また、香港はハイキングも楽しいんですが、真夏では暑すぎてツラいので、逆に気候の穏やかな冬場がおすすめですね。

――なるほど。夏場はビーチ、冬場は山が楽しめるわけですね。

そして、6月と12月がバーゲンシーズンです。日本より夏も冬も早めにバーゲンがスタートするので、日本ではまだ正規価格で売られているものが、香港ではバーゲン価格に。ハイブランドでも、よく見るとお店の入り口にひっそりSALEと書かれていて、じつはバーゲン中ということが多いので見逃せません!

――お買い物好きの人は、その時期に合わせて行くとさらによさそうですね。

年によって時期が多少変わるのですが、6月も12月もだいたい半ばすぎぐらいからのことが多いです。お店によりますが、1〜3週間くらいやっていて、30%オフから始まって50%オフ、最後は70%オフになります。が、やはり最後近くにはあまりいいものが残っていないので、わたしは50%オフになる頃までに行くようにしています。
ただし日本のように、店内が丸々バーゲンになることはあまりなく、半分くらいはバーゲン対象外の新着アイテムなんですよ。だからバーゲン目的で行ったのに、気づいたら新商品をたくさん買っちゃった、みたいなこともよくあります(笑)。

――最後に、福井さんが新しく出された「ひとりっぷ」シリーズ第3弾について教えてください。

今回は『昨日も世界のどこかでひとりっぷ3~弾丸無茶旅編~』と題して、全部実際に弾丸で出かけた実体験をもとに、日帰りから、最長でも土日に2日休みを足せば行ける海外弾丸旅を紹介しています。中でも香港はどうしても贔屓してしまい、ページが多めです(笑)。わたしの月イチ香港=「月刊香港パトロール」の直近1年分ダイジェストと称して、いまハマっているランタオ島のこと、先ほどもお話しした季節ごとの楽しみ方なども書いています。ぜひお読みいただけたら嬉しいです!

※「ひとりっぷ®」は(株)集英社の登録商標です。

福井由美子

編集者。元SPUR編集長。女性のひとり旅を「ひとりっぷ」と名付けて応援中。女子ひとり旅指南本『ひとりっぷ』シリーズを執筆、撮影。4月20日にシリーズ第3弾『昨日も世界のどこかでひとりっぷ3~弾丸無茶旅編~』(集英社)が発売。海外ひとり旅は400回を超え、うち150回以上が香港。
*ひとりっぷ®は(株)集英社の登録商標です。

Web:https://spur.hpplus.jp/special/hitrip/
Instagrm:https://www.instagram.com/hi_trip

掲載情報は、2019年5月時点の内容です。