2018 / 02 / 28 / Wed.香港入門

香港の交通指南
使ってみよう街の公共交通機関 編

手段豊富で、あらゆるところへ公共交通機関で行けてしまう香港。目と耳で降車地を知ることができるものから、頃合いを見計らって降りることを自己申告しなくてはいけないものも。使いこなせれば街歩きがさらに楽しくなる交通機関について、初級、中級、上級に分けてご案内します。

まずはオクトパスを入手しましょう

ICカードのオクトパス(Octopus/八通達)は、日本のSuicaやICOCAと同様、読み取り機にタッチするだけで運賃の支払いができ、タクシーを除くあらゆる交通機関に共通で使用できます。コンビニやスーパーなどの支払いにも利用でき、あれば便利なことはまちがいないのでまずは駅窓口で入手しておきましょう。値段は150ドルで、そのうち50ドルがデポジット、100ドルは最低入金分です。帰国時に購入したときと同様の窓口に持っていけば、デポジット50ドルと残額から手数料9ドルが差し引かれて返金されます。

©池上千恵 / 各駅のコンコースに案内ブースがあり、オクトパスの購入、チャージ、払い戻しなどができます。

わかりやすく使いやすい初級編

【MTR/地鐵】

©池上千恵 / 吊り広告もなく、明るく清潔なMTR車内は飲食厳禁です。

近年めざましい勢いで路線を延伸し、新駅がいくつも誕生しているMTRは、初心者でも使いやすい交通手段です。地下鉄と呼ばれることが多いですが、地上や高架を走る路線もあります。細かな時刻表はなく、「あと○分で電車が来ます」という表示で案内されています。

ドア上部には路線図が掲示されていて、次にどこの駅に停車するか、乗り換えの場合はどの路線に繋がるかなどがライトの点滅で示されます。駅が近づくと広東語、中国語、英語の順で駅名のアナウンスがあり、また各駅にも明確な駅名表示が複数ありますので、目視しながらの移動が可能です。

©池上千恵 / ドア上部の路線図は初心者には強い味方。点滅を追っていけば、降車も乗り換えも迷うことはありません。

地上への出口は複数ありますが、改札の内外に出口案内の表示や地図があるので、確認してから移動するといいでしょう。

©池上千恵 / 各駅の改札そばには周辺地図が必ず用意されています。

【スターフェリー/Star Ferry/天星小輪】

©池上千恵 / すべての船に「星」のつく名前がつけられているスターフェリー。

ビクトリア・ハーバーを往来するフェリーは、その姿そのものが香港のアイコンのひとつ。現在、チムサアチョイ(Tsim Sha Tsui/尖沙咀)-セントラル(Central/中環)、チムサアチョイ-ワンチャイ(Wan Chai/灣仔)を結ぶ2航路で運航されています。

運賃(大人)
 
月~金(祝日を除く)
土・日・祝
尖沙咀-中環

上層
下層
2.7ドル
2.2ドル
3.7ドル
3.1ドル
尖沙咀-灣仔
2.7ドル
3.7ドル

©池上千恵 / 支払いはオクトパスのほか、切符代わりのトークンを販売機で購入可能。

運行時間は中環線で6時30分~11時30分、灣仔線で7時30分~10時50分。10~20分間隔で運行されています。

少し慣れてきたらチャレンジしたい中級編

【バス/Bus/巴士】

©池上千恵 / まずは乗りたいバスの番号が書かれたバス停を探しましょう。

香港の隅から隅まで網羅するバスは、乗りこなせればどこへでも行ける観光の大きな力。走行本数も多い分、同じ行き先でも複数のルートがあったり、急行で止まらないバス停があったりとやや複雑ではありますが、あらかじめ乗るべきバス番号を調べて、その番号が書かれたバス停に行けば、ちゃんと目的地につけるはず。最近は、車内にもルート情報や次に止まるバス停名などが表示される車体が増えてきました。

©池上千恵 / 1階の中程にあるルートインフォメーションボード。行き先名とルートが交互に表示されます

©池上千恵 / 運賃は乗車時にオクトパスでピッ。小銭で支払いの場合、おつりはでません。

また各バス会社が近年力を入れているのが専用アプリ。DLしておけば、バス番号からルートを調べたり、行きたい場所からバス番号を調べたりと、乗りこなしに一役買ってくれます。

シティバス(City Bus/城巴)、ファーストバス(First Bus/新巴)の公式運行アプリ
 CityBusNWFB Android / iPhone

カオルーンバス(KMB/九龍巴士)の公式運行アプリ
 APP 1933 - KMB.LWB Android / iPhone

【トラム/Tramway/電車】

©池上千恵 / のんびりした存在に見えて、乗客数は実に1日2万人以上。香港島にはなくてはならない交通機関です。

香港島の北部を東西に走る2階建ての路面電車「トラム」は後方乗車の前方降車。運賃は後払いです。古い車体が多いため、車内アナウンスなどはないことが多いですが、1階2階どちらに乗っていても見えるようにトラム駅に駅名表示がされています。もし乗り過ごしてしまっても、約250メートルおきに駅があるので、一駅分ならば歩いて戻ってもそれほど苦にはならないでしょう。

©池上千恵 / トラムは110年超の歴史を持つ交通機関。運転台に歴史のある運転ハンドルを見ることもできます。

総走行区間は、東はサウケイワン(Shau Kei Wan/筲箕灣)、西はケネディータウン(Kennedy Town/堅尼地城)まで。ハッピーバレー(Happy Vally/跑馬地)へ回る迂回路線を含めて6つの運行区間があります。時刻表はなく、行き先もランダムなため、近づいてくるトラムの表示を見て、目的地まで行くかどうかトラム駅にある路線図で確認してから乗ることをおすすめします。

定員制で降車は自己申告の上級編

【ミニバス/Public Light Bus/小巴】

©池上千恵 / ミニバスのターミナルもあります。始発から終点までならば挑戦しやすいですね。

生活の足であるミニバスには、緑の屋根のものと赤い屋根のものがあり、いずれも16人の定員制です(19人乗りの新型車両の導入も一部で始まっています)。乗車したいときはバスが来たら手を上げて乗りたい旨を合図しますが、満席の場合は通過されてしまいます。また、降りたい地点が近づいてきたら「降ります」と運転手に声がけしなくてはいけません。路線によっては降車ボタンがついている車もありますが、まだまだ声で申告が大半と、旅行者にはややハードルが高めです。

また緑と赤とでは運賃支払い方法が異なります。緑は乗車時にオクトパスをピッとするか運賃箱に小銭を投入します。おつりはでません。赤はフロントガラスに掲げられた行き先ごとの運賃を直接運転手に支払います。おつりはもらえますが、500ドル以上の高額紙幣だと断られることもありますのでご注意を。

慣れない交通機関には失敗もつきもの。それもまたひとつの旅の思い出になるはずです。わからないときは遠慮せず周りの人に聞いてみてもOK。香港の人は観光客慣れしているので、よほど急いでいなければ親切に教えてくれるはずです。便利で選択肢豊富な香港の公共交通機関を使いながら、香港の旅を楽しんでください。

香港の旅に便利なアプリHKeTransportでは、紹介したバスやタクシー、MTRなどが複合的に検索可能です。

 HKeTransport Android / iPhone / iPad

文中の金額の単位はいずれも香港ドル。掲載の情報は2018年2月時点の内容です。
最新の営業・運行情報等につきましては、各社の公式サイトなどで確認ください。

Written by : 池上 千恵

フリーライター。出版社勤務を経て、約6年香港に居住。『香港路地的裏グルメ』『香港 無問題』『香港トラムでぶらり女子旅』など複数の関連著書を持つ。現在は年3~4回の訪港で生活感のある香港を探求し、雑誌・ウェブを中心に活動中。香港政府観光局公認『超級香港迷』(大の香港ツウ)として講演なども行う。
ブログ:香港*芝麻緑豆
http://edokomomo.exblog.jp/